ポート面積による周波数調整
スピーカのバスレフポートの共振周波数調整をポート長さではなく、中に棒などを入れて面積で調整してみました。
パスレフの共振周波数の調整は中々面倒です。もちろん計算もするのですが、最終の細かい調整はやはり実機と聴感に頼るところが必要なので別途調整が必要です。
その際ポートの長さ調整では切り詰めていくと戻せませんし、可能なら差し替え可能にして長さの違うポートを各種用意する必要がありますが、これはこれで結構大変です。
そこでもうひとつの方法として以前どこかで紹介したと思うのですが、ポートの面積を変えて調整する方法があります。
とはいっても直接変えるのは難しいので、ポート内部に棒などを入れ見かけ上の面積を変えていきます。
ホート共振周波数はポートの面積の平方根に比例しますから、面積半分ぐらいまでにすれば3割ほど調整ができる事になります。
メリットとして調整の変更が簡単に行えますし、元に戻す事も容易ですのでトーンコントロール並みにも使えます。
バスレフの調整では良くポートに吸音材を詰めてダンプすることが行われますが、この場合は周波数は変わらないのでバスレフを殺す方向のみにしか使えません。
バスレフがボンつくのは多分に共振周波数周波数が高すぎて、室内ではピークができてしまう場合が多いですから、バスレフを抑えればボンつきは確かになくなりますが、それで低域が伸びるわけではありません。
そこで対策としてポートの共振を下げればピークレベルの調整と共に最低再生領域も下がりますので、ボンつきの防止と実際の再生レンジの拡大が望め一挙両得です。
図ではインピーダンスグラフを載せていますが、各ポート面積に対して共振周波数(と思われるインピーダンスの谷周波数)は次のようになりました。
ポート面積 共振周波数
19.0平方cm 47.1Hz
15.5平方cm 43.7Hz
14.5平方cm 41.7Hz
12.0平方cm 39.1Hz
10.0平方cm 35.7Hz
このような感じで変化させながら、聴感や測定で低域特性を実地で決めるのが早くて便利かと思います。