gooの方がヤフーよりはるかにグー! - 矢嶋武弘の部屋

<2012年3月に書いた以下の記事を復刻します。>

私はいまgooのブログを使っているが、実は2012年2月23日にヤフー(Yahoo!)のマイブログを「全面削除」されたのでこちらに移ってきたのである。ヤフーのブログを全面削除されたのは、私の記事が音楽著作権を侵害したという理由からだ。この件について、Yahoo!ブログカスタマーサービスより以下のようなメールが届いた。参考になると思うので、紹介しておきたい。

Yahoo!ブログカスタマーサービス竹光です。お問い合わせの「『マイブログ』のページが表示されない」件について、ご案内いたします。お客様のブログにつきまして、以下のとおり通知を受け、弊社でコミュニティーサービスガイドラインに照らし確認を行い、削除措置を行いました。

[通知者]一般社団法人日本音楽著作権協会調査部部長 ?野 勝彦電話番号 03-3481-2119(担当 松本、林)

[侵害されたとする権利]著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権送信可能化権を含む)

[該当URL]http://blogs.yahoo.co.jp/yajimatakehiro2007/

◇コミュニティーサービスガイドラインhttp://docs.yahoo.co.jp/docs/info/terms/chapter1.html#cf3rd

なお、音楽に関わる著作権の詳細は、以下のページでご確認いただけます。

◇FAQ(一般社団法人日本音楽著作権協会https://secure.okbiz.okwave.jp/jasrac/EokpControl?&event=TE0008

お問い合わせの「削除措置となった『マイブログ』のデータ」について、ご案内いたします。

ガイドライン違反により削除措置になった「マイブログ」につきましては、お客様が投稿された記事や画像などすべてのデータが削除対象となります。

すでに削除されたデータ(記事や画像など)は、復元することができません。お客様のご要望に沿えず申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。」

このようなメールが届いたが、私は全く納得がいかない。たしかに私はブログの記事に音楽画像を貼り付けたり、歌詞をわざわざ引用するなど、著作権を侵害したことは間違いない。日頃、著作権に不勉強だったことは認めるし反省もしている。ただし、音楽記事だけでなく、他の記事も全て削除されたことに強い憤りを覚える。しかも、何の予告や事前通告もなく一方的に削除されたのだ。そこで、ヤフーの「利用規約」を初めて丹念に読んだが、これらの処置は当然だとなっている。長い文だが、これも参考までに以下に載せておきたい。◇Yahoo! JAPAN利用規約http://docs.yahoo.co.jp/docs/info/terms/

これを読めば、ヤフー側としては当然の処置をしたということだろう。「利用規約」に同意した上でのブログの使用だから、何の文句があるのかといった趣旨である。しかし、これによって、私は2000を超える他の記事も全て削除された。大変なショックである。目の前が真っ暗になり、頭の中が真っ白になった。2〜3日は茫然自失の状態になったのである。そこで急きょ、gooのブログを立ち上げたわけだが、今度は最初からその「利用規約」を丹念に読んだ。すると、gooの利用規約では第15条2項に「当社は、本サービスを、最低10日間の予告期間をおいて停止又は廃止することができます」となっている。(参照・gooの利用規約http://blog.goo.ne.jp/info/rules.html

つまり、gooはヤフーと違って、最低10日間の予告、事前通告の期間を設けているのだ。これは大きな違いである。削除されることが分かっていれば、10日間に自分の記事を別の所にコピーするなど、バックアップが十分に可能なのだ。これが社会常識、良識と言うものだろう。 また、gooは会員(利用者)の著作権を基本的に認めた上、会員に広告の表示・非表示を選択する機能を提供するなど、ヤフーよりは利用者の立場をはるかに考慮している。ところが、ヤフーの場合は何の予告も無しに突然(2月23日午後5時半頃)、全ての記事を削除したのだ! いかに利用規約でそれが可能だとはいえ、あまりに酷い仕打ちではないか。良識的なgooに比べると、極めて野蛮な暴挙と言わざるをえない。 幸い、私は記事の6〜7割を別の場所にコピーしておいたが、残りは完全に消えてしまった。ヤフーの利用規約には、わざわざ「バックアップの義務を負わない」とまで書いてあるのだ(第1章の10)。

この件について、私は先日 埼玉県戸田市で某弁護士と会い、損害賠償の訴訟が可能かどうかいろいろ相談した。弁護士は「訴えても勝ち目はない」と言う。たしかに、ヤフーの利用規約に同意しているのだから、全面削除されても仕方がないのだ。ただし、弁護士は事前通告がなかったことを問題視していた。「勝ち目がない」のなら訴えても仕方がないが、この話は別に考えるとして、ヤフーの利用規約はあまりにも一方的で、利用者の権利や立場を無視しているのではないか。利用者の人権、著作権というものが全くない。音楽著作権が大切なのは分かっている。私は音楽が好きなので、多くの人に推奨したり知ってもらおうと思うあまり、ついその著作権を侵害してしまった。それは悪かったが、もう音楽の記事を書く気にはならない。

日本音楽著作権協会JASRAC)にもいろいろ問題があるようだが、ここではその話は止めよう。問題はヤフーである。今後のインターネット社会のあり方を考える時、このままで良いとは到底思えない。ヤフーを訴えるかどうかはよく考えるとして(訴訟有効期間は3年)、野蛮な暴挙を可能にする「利用規約」は絶対に許せないと思っている。これまでに、どれほど多くの利用者が泣き寝入りしただろうか。 公明正大なネット文化確立のためにも、ヤフーの暴挙に抗議する!