ワインとブロック・チェーン

仮想通貨取引で使われているブロックチェンは、取引データをサーバーのように一括管理するのではなく、インターネットに接続された世界中のコンピューターそれぞれに、この同じ取引データを保存して<分散管理>され、その情報は開示されます。

そして、承認という作業が行われなければ、取引が成立したとは認められません。その承認は承認機能を持った複数のコンピューターの承認があって初めて成立し、ブロックチェーンに取引情報が書き込まれる仕組みとなっている。その取引情報がブロックで、その情報は過去から現在まで一連の流れで連結されているのがチェーン。そのため改ざんが難しいシステムといわれています。不正アクセスで仮想通貨が流失する事件が起きていますが、その情報はすべて記録されています。

 この改ざんが難しいシステムがワインの流通でも利用されているようだ。『食品のサプライチェーンにまつわるテーマには、安心安全の確保と偽装防止がある。食品の偽装は世界的な大きな問題で、世界のワインマーケットでは、流通するワインの5本に1本は産地を偽装していると言われている。空き瓶に詰め替えるというよう単純なものでなく、本物と見間違うようなワインを大量に流通経路に紛れ込ませる組織的なものです。ワインのボトルについているQRコードは、生産者の情報、産地の情報だけでなく、何月何日にブドウが収穫されて、何月何日に圧搾されて、何月何日に樽詰めされたのかという情報もついていて、生産の情報だけでなく、流通の情報、いつどこの港を出発して、どこを経由して日本に着いたかということまでわかる。』(EY梶浦英亮×小林弘人 | GEMBA - "現場"の未来を切り拓くメディア>)より

この情報の詰まったQRコードの情報管理にブロック・チェーン技術を応用して管理し、偽装や改ざんを防ごうとしているらしい。実は先日のブログ「ワインオープナーとポンプ」で書いたように、ワインを購入できる信用あるお店を探すのが難しい、QRコードで流通までの情報が分かれば購入する店頭だけを判断して購入することができる。その価格が<4割高でもいい>というのは自分では疑問符が付くが、アンケートでは70%以上という結果があるそうだ。しかし、安心してワインを購入できる担保としてはいいことである。4割高のワインは少し高すぎるが、そのワインが自分の口にあっていればいいのかも、とも思ってしまう。