中国、子ども3人までOKに? 記念切手の柄、臆測呼ぶ

2019年になると、3人まで子どもが持てるように政策が変わるのでは――。2年前に一人っ子政策をやめ、二人っ子政策に移行したのに出生数が思うように増えない中国で、さらなる規制緩和がうわさされている。発端は中国郵政が公表した来年(亥〈い〉年)の記念切手だ。

 8月6日、中国郵政が明らかにした来年の干支(えと)の記念切手のうち1枚は、親ブタとともに3匹の子ブタを描いている。日本では亥と言えばイノシシだが、中国では豚のことだ。

 二人っ子政策に移行した16年は申(さる)年だったが、この年の記念切手は2匹の子ザルが描かれたデザインだった。そのため3匹の子ブタが意味するものについて、国内外のメディアが「3人目まで子どもが持てるようになるか」「産児制限の全面放棄か」と報道した。ただ、前回の亥年となる07年の記念切手には5匹の子ブタが描かれており、政策の予告とは限らないとの見方もある。

 中国は1979年から人口を抑制するため、一人っ子政策を始めた。違反者には罰金を科すなど厳しく制限してきたが、少子高齢化が進んで将来的に人口が減少に転じることを見越し、16年に2人まで子どもを持てるようにした。だが、17年は肝心の1人目の出生数が減り、全体の出生数が前年より63万人減った。

 江蘇省共産党機関紙「新華日報」に14日、経済学者の投稿が掲載された。「出生率を上げる 新時代の中国人口発展の新たな任務」との題で、2人以上の出生を促す「生育基金」の設立を提案した。

 40歳以下の男女の給料から一定割合を毎年徴収して積み立て、2人目以上を産んだ家庭に子育て補助として支給。2人目を産まなかった人は、退職後に積立金として受け取れるとした。

 だが、提案がネット上で広まると、「教育費や住宅費の高騰、親の介護の負担に苦しんでいる庶民の生活を分かっているのか」などと批判が殺到。特に、自らも一人っ子として育てられた20〜30代の子育て世代は「2人目を産んだら罰金の時代に生まれ、今度は2人目を産まなければ罰金か」と嘆いている。(北京=福田直之、延与光貞)

https://digital.asahi.com/articles/ASL8P4DJHL8PUHBI00T.html?rm=391

■中国、子ども3人までOKに? 記念切手の柄、臆測呼ぶ

(朝日新聞デジタル - 08月23日 07:15)